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執筆者の写真Yoshie Sugai

望月

旧暦8月15日の中秋の名月(中秋に見ることができる美しい満月)を望月と呼びます。今年は9月29日がそれに当たります。神聖な月に秋の収穫を感謝し、翌年の豊作や健康を祈る行事を行います。


[English version of this blog post is HERE]

Mochizuki from Chiseikan Dojo, Aikido in Kyoto

私達が学んでいる合気道は望月合気道がベースとなっています。この望月は望月稔という名前で中秋の名月とは関係ありませんが、この美しい満月を眺めながら、私達が引き継いだ素晴らしい武道の技と思想という知識への感謝と、またそれらを指導、稽古できる健康への感謝を心に深く感じたいと思います。


京都で指導を始めて10年になりますが、未だに私は、「自分は技や思想を正しく伝えているのか。」また「指導方法や技を進歩し続けるにはどうしたら良いのか」と常に考え悩みます。驕りによって考え方や指導法が居着かないよう、沢山の先生方から色々な知識を得て、それらを自分の指導や稽古にどのように取り入れる方法を一生懸命考えます。先生方の素晴らしい知識を伝授される度に自分の未熟さに気づかされますが、学ばせていただく喜びの方が大きいです。


私の師の杵淵暢先生は大変柔軟な考えをお持ちの方で、しっかりとした軸の考えはおありだけれども、こうしたらもっと良くなるという意見には、ちゃんと耳を貸し、そしてそれを実際に取り入れ、技のやり方や受身のやり方を変更することに抵抗がありません。

そして現在は、技を進歩するために、複雑化するのでなく、逆に簡潔化する方法を考えていらっしゃいます。


また海外から私の道場に来てくださる先生方は、皆さん本当に謙虚で、新たな事を学ぼうとする姿勢が素晴らしく、それは豊かな知識の基にあるのだなと痛感しています。自分のやり方が一番正しいなどというような態度は決して取りません。そのような素晴らしい先生方にお会いでき、学ばせていただけるのも、望月先生の所で学ばれた杵淵先生とご縁があったからです。そして今年の夏には、沢山の望月合気道を学ばれた先生方から教えていただく大変貴重な機会を持つ事もできました。


秋の虫の声を聞きながら、光輝く1年で一番美しい中秋の名月を眺め、素晴らしい先生方にお会いできたご縁と、学び教える事のできる幸せな日々に感謝したいと思います。

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